インフレと長期金利の関係

適切なインフレ率は1から2%

 

一度名目成長率の要素を確認しておこう!

 


名目成長率=インフレ率+実質成長率 

 


実質成長率は生産性や労働人口の増加でより高い付加価値を生むことで増加することを意味する。景氣にダイレクトに反映される部分です!

 

だなら実質成長率だけみていれば経済成長を把握できそうなのだが…

 

長期的な経済動向を考えていくうえで

インフレはやはり重要であると言わざるを得ない。

 


インフレは一度火がつくとなかなか止められない。

第一次世界大戦後のドイツで起こったようなハイパーインフレになってしまうと、

お金は紙切れ同然のような価値しかなくなり経済は崩壊してしまう恐れがある。

 

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だから中央銀行はインフレの懸念が広がると

金融引き締めを行い、

金利を高く設定して

経済活動の過熱を冷やし、

景氣を落ち着かせようとするのです

 


インフレ体質が根強い経済では、

このようなメカニズムが恒常的に働くので、経済を低迷させなくてはいけないので、実質成長率自体も低くならざるを得なくなります

 


逆に物価が持続的に下落するデフレも、

債務負担を重くしてしまい、

経済の収縮に動いてしまう

これが今の日本の状況に近いです

 


つまり、インフレ率は高すぎても、低すぎても経済成長を低迷させてしまうため、適切な値があるのですが

 

それが一般的に1〜2%程度とされてます

 

 

ここで一度先程出てきた式を変換していくと

 

名目成長率≒長期金利

 

名目成長率=

               インフレ+労働人口増加+生産性向上率

長期金利

           インフレ率+労働人口増加+生産性向上率

 

とすることができる

 


日本の場合、少子化高齢化が酷く、

労働人口増加はあまり見込めないために必然的に他国に比べて長期金利は低くならなくてはいけない

望みの生産性も他国と比べるとお世辞にも高いとは言えない…


2008年12月時点では

米国の長期金利は2.5%、

日本の長期金利は1.4%

と大きく離れている。

これは何を表しているのか?

 


現在のマーケットはやや混乱状態の最中であり、適切なインフレ率を保ったとしても長期金利が極端に低いという異常事態である。

 


すると市場の予想機能というのは損なわれている可能性が高いのです!

 


長期金利が極端に長い間低いということは

上の式より実質成長率が長年に渡り低迷しているか、デフレに陥る危険性がある、またはその両方が市場で起こっていると考えられる

 

私たちは今成長できない経済の真っ只中でいきていると言えます


まとめ

・長期的な経済動向を考える上でインフレ率は重要となる

・インフレ率は高すぎても、低すぎてもダメで、1〜2%が一般的な値となる。

・名目成長率=長期金利

長期金利が低いということはインフレ率が上がらない、実質成長率が上がらないまたはどちらもその状況に陥っていると考えられる。

・日本は長期金利は低迷しているため、市場の予想機能が損なわれている可能性が高い