デリバティブを組み込んだ商品の曖昧さ

デリバティブというのは正しく理解して、使うことができれば大きな額の元本なしでリスクを回避することができる。

しかしその理解を中途半端なまま、曖昧にしてデリバティブを利用すると大きな損失を被ることがあるので注意が必要だ。

 


結論から言うと、デリバティブは便利だが、使い方を誤ってしまうと大きな損失を被ってしまう諸刃の剣である。

とくにデリバティブが組み合わさった商品はリスクが曖昧になり商品自体を理解することが難しくなる

 

 

少ない元本でオプションを買うことができ、

一見有利に取引を持ち込むことが可能となる。

 

しかし、その有利さは表裏一体であり、高い手数料を払ったり、貰えたりするから、一方的に有利に見えたり、不利に見えたりする。

つまりデリバティブは一方的に有利とか不利とかないのである。

 


今回仕組債の具体的な例として日経平均リンク債をだしてみよう。

 

一言で言うと、日経平均が一定期間内に20%、30%などと言う大きな下落がない限り高い配当を得ることができるという投資信託である。

 

20%、30%の下落というのは実は一定確率で起こることなので、この投資信託というのは高リスク、高リターンの商品と言える。

例えばサブプライムショックでは日経平均が一年で50%以上下落したことから20%、30%の下落は比較的肌感覚でも多いと言えそうだ。

つまりこれは投資家が不利になるような商品だと言える。

 

しかしそれを理解せず当時多くの投資家がこの商品を買って大きな損失を出してしまった。

 

その理由として大きく2つ存在して、

1つ目の理由として、当時から日本は長く低金利が続いていたので、高い配当が非常に注目を浴びてしまった。

 

2つ目はリスクの表裏を理解していなかったことが挙げられる。

 

さらに投資信託における一般投資家向けの商品は中間手数料が大きくかかるのである。

それを考慮に入れると受け取る配当以上にリスクは大きいことが言えのだ。

 


デリバティブを組み込んだ商品というのは一見リスクのない商品と勘違いしてしまうことが多く、複雑である。しかし、投資の大原則であるリスクとリターンとの関係はきちんと押さえて投資を行なっていきたい。

 

 

 

まとめ

デリバティブはどちらか一方だけが得をする取引ではない。

デリバティブが組み合わされた商品はリスクが曖昧なってしまう。