スワップ

7京円という桁外れの規模を持つキャッシュフローを交換する取引!

 

スワップとは金利の支払いと受け取りの一連のお金の流れのことを意味するのである。


このスワップの対象となるキャッシュフローはさまざまなものがあるが、代表的なものが金利スワップである


スワップは交換取引であるために2当事者間で取引が行われる。

こうしたデリバティブを店頭デリバティブまたはOTCデリバティブと呼ぶ。


市場で圧倒的多数を占めているのが店頭デリバティブで取りは残高は世界で7京円弱と言われている。これはアメリカのGDPの約50倍であり、その半分を金利スワップが占めている。

 


この金利スワップの取引金額は相対元本ベースのため実際にこれだけの金額が動くわけではない。

それに多くの取引は反対取引でリスクを相殺している。

 


スワップでは一方の当事者は契約期間中、あらかじめ約定された固定長期金利の利息を払い続ける。他方の当事者は、その時々のLIBOR金利で計算された利息を払う。

LIBORとはロンドンで取引されている銀行間預金金利のことで、毎日レートが公表されている。こちらは何%の金利になるかあらかじめ決まっていないために変動金利と呼ぶ。

 


この金利スワップ

交換されるのは金利だけであり、元本は交換されない。

元本は利息の金額を計算するためだけに使われることになるので、相対元本と呼ばれている。


この金利スワップを利用している代表例として銀行があります。


銀行は短期の預金を集めて、固定金利で企業に長期貸しを行なっている。

しかし何かの影響で短期金利が上昇して預金金利も上がるため支払いが増えてしまう。

もし長期金利<短期金利になれば

貸出金利の受取を上回る逆ザヤ状態

に陥ってしまう。


そこでそれを回避するために

金利スワップを使います。

 


LIBOR短期金利なので、短期金利が上昇すれば預金金利が増加分LIBOR金利も増加分受け取ることができるので、当初の利ザヤは確保できることになる。


長期金利(スワップ金利)を払わなくてはいけないが、企業から受け取る貸出金利>スワップ金利になれば利ザヤは確保することが可能となるのだ。

 

金利スワップをうまく活用することで、変動のある短期金利のリスクから上手く回避することが可能となる。


まとめ
LIBORは短期を受け取り、長期金利を支払う
スワップは元本の交換はしないで、金利の交換のみ行われる
金利スワップを活用することで短期金利上昇のリスクヘッジを行うことができる