クレジット・デリバティブについて
企業の信用を取引する
クレジットデリバティブはここ数年の間で急激に拡大したデリバティブの1つである。
その体表例としてクレジット・デリバティブ・スワップ(CDS)と言われるものがある。
CDSの取引残高は5700兆円ほどの巨額なお金が動いていて、わずか2、3年で3倍ほど増えている
このCDSの仕組みを利用して大きな打撃を受けたのがアメリが最大の保険会社AIGである。
CDSにとって大きな損失を出して経営危機に陥ってしまい、
アメリカ政府の管理下に置かれ救済された。
このCDSは企業の倒産リスクを取引するものなので仕組みは非常にシンプルである。
そこで具体例出すことにする
ある企業の倒産リスクを回避したい投資家はプロテクションバイヤーとなる。
つまりCDSの買い手である。
もし企業が倒産してしまったら補償金を受け取ることができる。
しかし倒産しなければあらかじめ決まっているプレミアム料金をずっと払い続けなくてはいけない。
一方で反対のプロテクションセラーは
CDSの提供側で、もし企業が倒産すれば補償金を支払わなくてはいけない。
しかし倒産しなければずっとプレミアム料金を受け取ることができる。
これは元本の払い込みがないので、手持ち資金よりも巨額な取引をすることが可能となる。
またこのCDSには様々なバリエーションが存在する。
例えば、複数の企業が1つの商品としてパッケージ化されて、その1つでも倒産すれば補償金を得られるという商品である。
これはプロテクションバイヤーが有利に商品となっているが、その分高いプレミアム料金を支払わなくてはいけない。
今回は企業の倒産リスクの売買を取引したものだが、証券化商品の損失補填するCDS取引も可能となる
CDSの登場により企業の倒産リスクを売買できるようになった。
倒産リスクが高くなればプレミアム料金が高くなり、倒産リスクが低ければプレミアム料金は低くなる。
よってその水準を注意深く見ることで市場がその企業をどの程度信用しているかをすぐに把握することができる